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トップ > 2006 > 2006 - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年12月2日 3時)
ペン画の神様 樺島勝一展 @弥生美術館
大正末期から昭和10年代にかけて、雑誌「少年倶楽部」などの挿絵で活躍し、「写真を上まわる密描画:スーパーリアリズム」、「船のカバシマ」、「ペン画の神様」と呼ばれた樺島勝一。その生誕120年記念展が開かれていることを新日曜美術館で知って、早速見に行ってきた。

1.挿絵画家 樺島の誕生
2.朝日新聞社の仕事・・・「吹きだし」のついた漫画《正チャンの冒険》。「正チャン帽」が売り出されるほどの人気だった。


4.敵中横断三千里・・・山中峯太郎著: 日露戦争の建川中尉ほか5人の物語
5.吼える密林・・・南洋一郎著、ジョセフ・ウィルソンの翻案、ボルネオーマレイ半島の猛獣
6.少年倶楽部人気小説・・・南洋一郎:緑の無人島、海野十三:太平洋魔城 ・浮かぶ飛行島
7.附録の仕事・・・昭和9年の福永恭介海軍少佐:小説日米戦未来記の表紙ーこれは驚いた。
8.種々な雑誌の仕事
9.ポスターの仕事
10.樺島の描く人物・・・昭和15年、水を掛けられる《乃木希典》、昭和19年《敵艦撃滅》
11.ペン画の神様・・・《センチュリオン》↑のポスター、《波上のタンカー》、《山に登りて》-前穂高。子供に与えた4つのペン画が神品。長女:合掌造り、長男:ネルソン提督率いるイギリス艦隊、次女:コルベット(金剛と比叡)、次男:水車小屋。
12、樺島写真館・・・家族の写真。
13.絵本の仕事・・・昭和12年ー戦後の「講談社の絵本」。これはわたしもお世話になった。
14.船のカバシマ・・・船も巧いが、波の描き方が絶妙である。

15.光と影・・・夜の画が巧い。暗い画面に光と影を描き出す超絶技巧!
16.デザイナー
17.単行本の仕事
18.敬愛する勝一先生・・・絵具・筆・コンパスなど。 会場で、偶然に知人夫妻に会った。わたしよりチョット年上の方。とても懐かしがっておられた。少年の魂が揺すぶられるのである。
会場に置いてあった「正チャンの帽子をデザインしてみよう!」にトライ!!!
「とら」という字を浮き上がらせてみた。 とても楽しい展覧会である。12月23日まで。

(追加1) 高畠華宵 麗しの華宵絵ごよみ @弥生美術館 3階
1.華宵事件: 画料のトラブルから華宵が講談社を去り、実業の日本社に移った。前者での「少年倶楽部」、後者での「日本少年」誌が展示されていた。
2.孤高の美少年: わたしにはこういった趣味はないので、目を伏せてパス。
3.夢見る美少女: こちらはナカナカ。こういった趣味もなかったはずなのだが・・・。
4.日本画: 有名な《情炎》にお目にかかれた。八百屋お七は凄艶。


(追加2) 竹久夢二 舞台芸術の世界展Ⅱ @竹久夢二美術館

2.スケッチ帖より: 演劇都市 浅草
3.浄瑠璃と義大夫節
4.芝居絵手紙
5.観劇の記憶: 口絵・コマ絵・批評
6.上方歌舞伎: 新発見の《紙治之図》↓。近松門左衛門の「心中天の網島」より。妻子のある紙屋治兵衛と遊女の小春の悲恋。背中合わせの構図が意味深。

8.バレエ・リュスと舞台への関心
9.浅草オペラ
10.キネマ
11.少女歌劇
美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月30日 17時56分
朝鮮王朝の絵画と日本(再訪) @栃木県立美術館
この展覧会は初日に行った。リストがなかったので、お願いしてpdfファイルでホームページにアップしていただいた。サイトを訪れると、素敵なヴァーチャル・ツアーも載っている。 pdfの作品リストをみると、全部で6期に分かれている。今は4期目だから、前期・後期に分けると後期ということになる。そこでリストをプリントアウトして、思い切って宇都宮線で再訪した。
今回は、音声ガイドが準備されている。無料で女子高生の音声が聞こえてくる。17点についての明快な解説。これはお勧め。 リストを手に持ってみていくと、第5期・第6期になって出てくるはずなのに、すでにこの第4期に出ているものがいくつもある。会場の中ほどに、新しいリストが置いてあり、それは修正されていたが、ホームページのほうのリストはまだ更新されていない。
以下、お気に入りの一部を画像で紹介する。
●田琦《梅花草屋図》、朝鮮末期(19C前期)↓・・・左の赤い服の男は画家本人との説明である。













美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月29日 12時30分
ラロックの聖母
レオナルド・ダヴィンチの新しい作品《ラロックの聖母》が見つかったらしいというフジテレビの衝撃的な番組。思わず最初から最後まで見てしまった。
知り合いの池上英洋先生も登場しておられたので、写真を撮った。以下、説明抜きで・・・。




美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月26日 23時19分
写真展「いつかのどこか」 @元麻布 gallery613
ブログでお世話になっている「あおひー」さんの初の個展。
案内状に使われていた「みせじまい」↓をみると、完全なアンフォーカス写真で、わたしにはちょっと無理かなと思ったが、がんばって見にいってきた。

あおひーさんのアンフォーカス写真を見ると、ぼやけた写真の芸術性が復興してきているのかとも思う。
逆光の向こうに立っている女性の脚が細くなって糸のように見えている写真もあった。光の処理の具合でこうなるということだったが、新しいテクノロジーの出番なのだろう。
「いつかのどこか」で見たようなデジャブの光景が会場にいくつも展示されていた。あおひーさん自身はすべての作品にタイトルをつけておられたが、これは作品から離れたところにまとめてあった。観客の「いつかのどこか」は、作者の「いつかのどこか」とは違うという心配りなのだろう。
階下の cafe olympico で、オープニング・レセプション。見慣れた顔が多く、シャンペンやワインも入って調子が出てきた。
とにかく、あおひーさん、おめでとう。11月30日(12:00-19:00)の会期終了まで頑張ってください。
美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月25日 22時6分
セザンヌ主義 父と呼ばれる画家への礼賛 @横浜美術館
本格的なセザンヌ展は、1997年に開かれた笠間日動美術館の開館25周年記念「セザンヌ展」以来だから久し振りである。
今回は、近代絵画の父と呼ばれるセザンヌが、フォーヴィズム、エコールドパリ、キュビスム、そして日本の画家に与えた大きな影響を、ひとつの展覧会として提示している。
プロローグ
1907年にサロン・ドートンヌで開かれた回顧展で、セザンヌは急に有名になったが、特に若い画家たちが関心を示しはじめた。
このことは、自転車で訪れたモーリス・ドニの《セザンヌ訪問》に描かれている戸外で制作するセザンヌの姿やセザンヌの言葉を世に伝えたエミール・ベルナールの《セザンヌ礼賛》↓という肖像画で示されている。

セザンヌは、バランスや構図の安定に配慮した構築の人物画を描いているが、この展覧会では夫人像、自画像、水浴図に分けて展示してある。







日本の画家では、前田寛治《赤い帽子の少女》、安井曽太郎《婦人像》、小出楢重《N夫人像》、森田恒友《少女》、有島生馬《背筋の女》、岸田劉生《樹と道》、佐伯祐三《パレットを持つ自画像》、黒田重太郎《港の女》、川口軌外《裸婦群像》。須田国太郎の《水浴》が迫力が印象的だった。
II 風景画
セザンヌは、ピサロに教えられた印象主義のタッチを生かしつつも、単なる写実ではなく、形態と色彩とが呼応した堅固な構築の絵画を完成させていった。これらはキュビスム、フォーヴィスムに受け継がれた。ベルナール、ブラック、デュフィ、ドラン、ヴラマンク、ピカソ、キスリング、ロートらの画が出ていた。



セザンヌの静物画はまさに実験の場であり、実体感のある空間を実現するにことに成功している。


エピローグ
セザンヌの絵画は魅力的だが、複雑で難解でもある。セザンヌを崇拝した後の画家もセザンヌのすべてを理解したのではなく、その一部を継承いったと考えるべきなのだろう。
一方、セザンヌ自身もまた、伝統的な絵画を尊重していたようで、彼が描いた《ドラクロワ礼讃》が展覧会の最後を飾っていた。天に上っていくドラクロアを見送るのは、右のリュックサックを背負ったセザンヌや左のモネなどである。

美術散歩 管理人 とら
HP
(追 記) ogawamaさんから、この展覧会の「出品作品」リストを送っていただいた。もらい損なっていたので、これを参考に記事を修正した。ありがとうございました。
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月25日 8時59分
「駅2008」 鶴見線に降りたアートたち展
東京ステーションギャラリー休館中の東日本鉄道文化財団は、旧新橋停車場 鉄道歴史展示室で企画展を開催する一方、移動展を開いている。第1弾の「駅2006」は偶然に仙台駅でみた。そのときに書いたホームページの記事はこちらである。
今回は、その第2弾で、仙台駅という「点」のアート配置から、鶴見線という「線」の配置に進化し、アートと小旅行の二つを楽しむことができるようになっている。


















美術散歩 管理人 とら
HP
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月23日 19時25分
ピラネージ版画展 未知なる都市の彼方へ @町田市立國際版画美術館
18世紀の版画家ピラネージの作品をまとめて見られるよい機会である。世田谷美術館から歩いて砧町に戻り、バスで成城学園に移動し、小田急に乗り換えて町田へ行った。美術館へは遠いのでおのずと健脚になる。
美術館入口で初めてこの展覧会のポスターを見た↓。チラシが手に入らなかったからである。ポスターの大きな画はピラネージの《ローマの景観: ポポロ広場》↓↓。小さい画はフェリーチェ・ポランザーニの《ベネチア人建築家ピラネージの肖像》↓↓↓。








ピラネージは建築家でもあり、考古学に熱心で、研究の成果を版画集にまとめていった。↓は《ローマの古代遺跡: 第二巻 タイトル・ページ》。素晴らしい精密大版画である。



ここにはめずらしいティエポロの版画《カプリッチ》も楽しめた。しかし豪勢なのは、《牢獄 第2版》の16葉揃い踏み。第1版と比べ、摺が濃いが、2葉増えている。↓はタイトル・ページ、↓↓は第4葉、↓↓↓は第5葉(ライオン)、↓↓↓↓は第7葉。




全4巻218葉に達する《ローマの景観》は、ピラネージの空想の理想都市で、グランド・ツアーの旅行客に販売したもの。この記事の初めの部分にいくつが画像をあげてしまっているが、最後に《ローマの景観: フォロ・ロマーノ》の画像をアップして終りとする。

帰りは町田から横浜線、長津田で田園都市線に乗り換えて帰宅した。足が棒のようになってしまった。
美術散歩 管理人 とら
HP
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月21日 23時10分
山口薫展 都市と田園のはざまで @ 世田谷美術館



1931-33の《白い馬の像》は、背中を矢で射られた半人半馬のケンタウロスが女性を抱えている画で、この期の作品としては特異である。この画には、象徴性が感じられ、↑の中央の《矢》として1952年に書き直されている。
2.帰国直後・戦中 1923-35: 1936年の《神話》は色彩が美しい象徴画であるが、↑中央上の《花の像》1937は、幻想的で平面的な作品で、深みのある赤が目立つ。↑右上の《潮騒(夜明け)》は、深い青を基調としているが、これも平面的で幻想的である。
1944年の《葬送》という画が印象深かった。白い煙が谷間から立ち上り、大勢の小さな黒い影がそれを見守っている。1942年の《銃》は、三本ずつお互いに立てかけられた銃が二組。これらは戦争時代のテーマであるが、戦争に対する複雑な感情が内蔵されているようである。
3.戦後 1948-55: この時期には、風景・人物・静物といった画題を、造形要素や色彩に分割し、これを再構成するようになってきている。↑中段右の《白痴の愛(あやこ)》では、具象から抽象に移行しつつある。1954年の《牛の頭》は、まだ具象性が残り、白色が目に焼きつく。チケットの《孤独者のすまい》1955も、具象と抽象の間にある。
4.後期 1956-68: ここでは朦朧とした抽象画が多くなっている。↑の下段左の《水田を飛ぶカーチス式飛行機》などは、タイトルとの解離が著しい。ただこの時期の作品でも、小さな作品は具象的であり、山口は展覧会用作品と個人用作品を切り分けていたのかも知れない。

美術散歩 管理人 とら
HP
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月21日 22時28分
林 陽子 銅版画展 ANOTHERLAND @ギャラリーハウス・マヤ
「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展」のプレヒューでお会いした林 陽子さんから個展の案内状↓をいただいた。 この版画のタイトルは、luminous cave。きのこや草花の生えている空間に、蜂、蝸牛、鹿の優しい姿が彫られている。 「露の香りは道しるべ 胞子の霧をすり抜けて 樹海の深淵 別世界へ」というフレーズは、この展覧会へのいざない。

ちょうど林さんがおられたのでお話を伺いながら、作品を見せていただいた。 最近のとげとげした世界から一歩このギャラリーに入ると、明るい「別世界」が待っている。 植物と動物が平和に暮らしている世界が穏やかな色彩で表現されているのである。↓は Fir Torch、↓↓は New Year essence。

最初はケルト文化を題材にしていたが、最近は自分自身の中に浮かんでくるモチーフで制作されているとのことである。左は mellow night、右はMigrant。

美術散歩 管理人 とら
HP
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月20日 19時43分
帝室技芸員と1900年パリ万国博覧会(第4期) @三の丸尚蔵館
第1期、第2期の記事はこちらとこちら。第3期は、2点以外は、他の期と重複しているのでパスして、最後の第4期に行ってきた。
「パリ万博ー御下命製作品」
海野勝珉の彫金《太平楽置物》↓は素晴らしい。制作費は2500円。第3期だけに出ていた高村光雲の《山霊訶護》が1500円、西村総左衛門の《水中群禽刺繍額》が1800円だから、海野の評価が非常に高かったことが分かる。これは雅楽「太平楽」を舞う演者。「太平楽」は即位の礼で舞われる演目で、兜と鎧に身を包んだ武人が剣を構えた瞬間である。

ここでも海野勝珉の彫金《蘭陵王置物》↓には目を見張った。天才的な作品。雅楽の演目のひとつ「陵王」を舞う演者の姿で、龍を頂いた面は着脱可能。面の下には端正な素顔があるとのことだが、見てみたいものだ。仮面を収める黒檀木象嵌の箱も並んで展示されていた。

高島屋四代目である飯田新七の《四季草花図刺繍屏風》は絶品。今まで見た刺繍ではベストである。
この展覧会を見ると、当時の日本美術のレベルの高さに感嘆する。ヨーロッパの人々もさぞ驚いたことだろう。
この展覧会は、12月14日まで。
美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月19日 20時7分
大琳派展ー継承と変奏(最終日) @東京国立博物館
この展覧会は、第1回は始まってすぐに行けたが、第2回目は最終日となってしまった。これも、はろるどさんからオフ会のお誘いを頂いたおかげである。今さらという気もするが、記憶のため後期のお気に入りをいくつか記録しておくことにする。琳派は「キレイ」というだけで、余計な感想は不要だろう。なお、風神雷神図屏風については昨日記事にした。
第1章: 光悦・宗達
光悦《月に兔扇面》↓・・・こういうベタットしたデザインの扇や団扇もなかなか良い。


光琳《中村内蔵助像》↓・・・光琳の親密な友人。光琳は中村の娘を養育し、後に自分の息子と結婚させた。



抱一《燕子花図屏風》↓・・・大きく円弧を描く構図が素晴らしい。






美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月18日 23時5分
雷神の稲妻: その継承と変奏 @国宝天神さま展 & 大琳派展
九博では《北野天神縁起絵巻》の承久本、東博では《風神雷神図屏風》の琳派四人揃い踏みを見た。
雷神は、民間信仰に由来するものかもしれないが、西洋ではゼウス、わが国では菅原道真が死した後の復讐の雷神(天神)が有名である。
雷神は、鬼の姿で描かれ、牛の角、虎の皮のふんどし、首に掛けた緑の条帛、太鼓(天鼓、雷鼓)、稲妻がそのアトリビュートである。
今回は、そのうちの稲妻について注意してみてきたので、ここに述べて、ご批判を仰ぎたいと思う。
まず、北野天神縁起絵巻承久本。↓太鼓は雷神を円形に取り巻いているが、太鼓の間には繋がりはない。そのかわり、無数の稲妻が画面に炸裂している。





美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月18日 9時19分
近世初期風俗画 躍動と快楽(後期) @たばこと塩の博物館
この展覧会は3度目。前期、講演会に続いて、今回は後期。
1.洛中洛外図(歴博甲本): 11月18-30日の展示だからマダ。以前に歴博で観ているのでまあ良いとする。
3.観能図(神戸市立博物館蔵): 御簾の中の天皇や金扇を持った秀吉が確認できるが、面白いのは観客に南蛮人が沢山いることである。その後の鎖国のことなど当時は夢にも思っていない。長いキセルで観客は喫煙。その後の場内禁煙のことなど夢にも思っていない。
9.北野社頭図(細見美術館蔵): 隣りに展示されている《四条河原遊楽図》(個人蔵)と対幅らしいという説明である。なるほど、絵全体の雰囲気が似ているし、双眼鏡で確認すると同じ朱印が押されている。印の位置から、細見蔵が右隻、個人蔵が左隻である。
両者をつぶさに見ていると、面白いことに気付いた。両者に非常に似た「盆庭」が描かれている。足つきで、色模様や樹も良く似ている。同じものを見て描いたのだろう。↓が右隻、↓↓が左隻。


11.遊楽人物図(細見美術館蔵): これは立派。《彦根屏風》と酷似しているこの屏風は今回の華。
21.江戸名所遊楽図(細見美術館蔵): 最も古い江戸名所遊楽図だそうだが、保存状態が良く、ゆたかな色彩を楽しめる。
22.大阪冬の陣(東博蔵): 右隻は前期から出ていたが、左隻が出て、両者が並ぶのは6日間のみ。今回の左隻に大阪城の天守閣なども描かれているのだから、前期だけしか見られなかった方には不満が残るだろう。
両者をみて初めて気付いたことの一例をあげる。前期に右隻を見た時には、全体が持久戦のダレ模様のような気がして、左下方の戦闘らしきものを見逃していた。左隻と並べてみると、両者の濠が繋がっており、左隻右下部の橋を渡る侍が生首を提げている↓ことに気がついた。あわてて右隻を見直すと、激戦が描かれており、切られた首や膝から鮮血が飛び散っている↓↓でなないか。


このように細かいところを見だすと、いくら時間があっても足りない。
美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月16日 11時5分
琳派から日本画へ 宗達・抱一・観山 @山種美術館
東博の「大琳派展」も明日がフィナーレ。わたしも、明日は《風神雷神図屏風》の四人揃い踏みを観にいくつもりである。

江戸時代のお気に入りは、本阿弥光甫の《白藤・紅白蓮・夕もみじ》の三幅対、抱一の《飛雪白鷺》、《月梅》、《秋草》、鈴木其一の《高安の女》。
明治以降では、下村観山の《老松白藤》がベスト。巨大な赤松の太い幹が中央に置かれ、左右の思い切りのばした枝にからむ藤の清楚な花。装飾性の極みといえるだろう。


東山魁夷の《満ち来る潮》は豪快。加山又造の《裸婦習作》は黄金の文様と裸婦の対照が面白かった。
全体としては、肩の凝らない展覧会だったが、琳派のDNAが日本画の中にしっかりと受け継がれていく様が良く分かった。
美術散歩 管理人 とら
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月15日 23時42分
石田徹也 僕たちの自画像 @練馬区立美術館
石田徹也の《飛べなくなった人》↓は、新日曜美術館で紹介された時から、気になっていた。

会場に入ってみると、あっと驚く。大きな油彩が並んでいる。うつろな目をした石田自身、あるいは現代の若者たちの分身が、現代という怪物のような社会に踏み潰されながら生きている姿が見るものを圧倒してくる。チラシは、《社長の傘の下》↓。



これらの画↑は実物を見なければわからない。没後に刊行された「石田徹也遺作集」や今回の「展覧会図録」もこの衝撃を再現していない。われわれの心の奥に訴えかけてくる石田の作品を直接見ることのできるこの機会は貴重である。
美術散歩 管理人 とら
HP
作者:cardiacsurgery
更新日:2008年11月14日 20時7分