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トップ > net > net - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年12月3日 5時)

ジャガイモ飢饉とケネディ大統領



 作物、とくにデンプン源の作物が、不作になった場合、ほぼ必ず飢饉は起き、住民は「この地に残るか否か」の選択を迫られます。

 ここに、民族大移動を起こしたと言ってよい大飢饉を取り上げます。

ジャガイモ飢饉(Potato Famine):

19世紀はじめ、イングランドによって土地を奪われたアイルランド人は小作農にならざるを得なかった。おもに麦を栽培していた小作農家たちは、地主に納めなくてもよく、荒れた土地でも栽培できるジャガイモの栽培を始めた。ジャガイモの栽培は急速に普及し、農民たちの主食となっていった。

しかし、1845年から1849年の4年間にわたってヨーロッパ全域でジャガイモにPhytophthora infestans菌による感染症であるジャガイモ疫病が大発生し、壊滅的な被害を受けた。これは"Great Famine"と呼ばれて、歴史の方向を変えたとさえ言われている。



さらに、ジャガイモは通常前年の塊茎を植えるという無性生殖による栽培法を用いるが、アイルランドでは、収量の多い品種に偏って栽培されており、遺伝的多様性がほとんどなかった。そのため、菌の感染に耐え得るジャガイモがなく、菌の感染がこれまでないほど広がった。ジャガイモが主食作物であった原産地のアンデス地方では、ひとつの畑にいくつもの品種を混ぜて栽培する習慣が伝統的に存在し、これが特定の病原菌(レース)の蔓延による飢饉を防いでいたのである。

以下はen:Great_Irish_Famine#Death_toll(11:34, 23 October 2007 UTC)の抄訳である

この飢饉の間にどのくらいの死者が出たかは不明である。しかし、ヨーロッパを広範囲に襲ったコレラやチフスよりも多くの死者が出たとも言われている。当時国勢調査はまだ始められておらず、教会に残された記録も不完全である。多くのアイルランド教会の記録は(アイルランド教会へのカトリック地方教会の十分の一税徴収の記録を含む)、1922年のアイルランド内戦の際にフォー・コーツより消失した。

一つの可能な見積もりとしては、1850年代の最終的な人口と比較することである。もし飢饉が発生しなければ、1851年にはアイルランドの人口は800−900万人になっていたはずだと考えられている。1841年に行われた調査では、人口は800万人を少し超えていた。

しかし飢饉の発生した直後、1851年に行われた調査では、アイルランドの人口は6,552,385人であった。10年でほぼ150万人が亡くなったと考えられる。


現代の歴史家と統計学者は、病気と飢餓のせいで80万人から100万人が亡くなったと考えている。加えて、100万人以上のアイルランド人がイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどに移民し、その後10年でさらに100万人が移住した。


以上はWikipedia 「ジャガイモ飢饉」の抜粋です。(コピペばかりでスイマセン。)

ここで言及されている移民には、後にアメリカ大統領、J.F.Kennedy(ケネディー)の一家も含まれます。ここで思いだすのは、ケネディの父が株式相場で、違法ぎりぎりの行為を行って、巨万の富を築くというお話。NHK「その時歴史が動いた」で取り上げられていました。以下のとおり。



その時歴史が動いた」の要約 

「1929年、ニューヨーク株価大暴落〜なぜパニックは起きたのか〜」

                        (2000/10/25放送分)

 第一次世界大戦で疲弊し、不況に陥ったヨーロッパに代わり、アメリカには

多くの富が集まり、株価は年々上がり続けた。当時の花形株の1つは1926年に

創設されたばかりのRCAラジオ局の株。この株で大もうけしたのがジョセフ

・ケネディ(JFケネディの父親)。1928年3月、ケネディは相場師仲間数人

で1300万ドルの資金を集め、RCA株の買い占めをはかった。1日で39万株と

いう大量の取引を行ない、RCA株はたちまち74ドルから91ドルに上昇。これ

を見ていた一般投資家も、RCA株に殺到し、翌日には109ドルにまで上がっ

た。株価が上がりきったと見るや、一転すべての株を売り払った。こうしてケ

ネディは、500万ドルもの利益をたった2日で稼いだ。こうした買い占めは現

在では禁止されている。・・・・・

 1929年8月になっても株価は上昇を続け、9月3日に株価の最高記録を更新

した。ケネディはじっと考えていた。やがて証券会社に電話し、手持ちの株を

すべて売り払い、取引から撤退すると伝えた。4日、リバモアは独自のルート

の極秘情報から暴落の予兆を感じ取り、26日にそれが現実のものとなる。イギ

リス中央銀行が大幅に金利を上げ、アメリカを上回る6.5%とした。その結

果、ニューヨークに投資されていた資金がより高い金利を求め、イギリスに移

動。リバモアが予想したように資金の流出はニューヨークにすぐに繁栄し、10

月からは株価に小刻みに下落し始めた。



http://www.melma.com/backnumber_10441_267051/

:「日本史なんて怖くない」より引用。(やはりコピペばかりで・・・スイマセン。)



ケネディー(父)の決断は見事なものでした。この決断によって将来の大統領を出す資金にできたのですから。なお、ケネディ(父)が株式取引をやめたのは、「靴磨きの少年」でさえ、株の話をしていることに、将来の株価暴落のにおいを感じ取ったからなのです。一方、リバモアは株をやり続け、最後には彼の予想を上回るように株は乱高下し、リバモアは拳銃自殺を遂げます。


今日のひと言:故郷で農業で辛酸をなめているからか、アイルランド移民には実業に就かず、株式取引、政治家などの虚業をこととする移民も多くいたのでしょうか?それとも虚業をやった人は少数派で、やはり実業をやる人が多数だったのでしょうか。興味深いところです。ともあれ、一種類の穀物(デンプン源)ばかりを糧とするのは、大変危険なことですね。


今日のひと言2:白人のケネディでさえ、ケルト民族の末裔ということで、アメリカを支配する「WASP:white anglo saxon protestant」に疎まれ、暗殺されました。オバマ次期大統領に、もしそれが起こったら、アメリカという国も、それだけの国ということになるでしょうね。


ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)

ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)

飢饉―飢えと食の日本史 (集英社新書)

飢饉―飢えと食の日本史 (集英社新書)

古代ギリシア・ローマの飢饉と食糧供給

古代ギリシア・ローマの飢饉と食糧供給

作者:iirei

更新日:2008年12月2日 16時10分

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ケイト・ブッシュ〜〜その心地よい単調さ:エアリアル




例によって図書館で手にしたCDがエアリアル(Aerial)。ミュージシャンはケイト・ブッシュ。二枚組みのCDで、90年代まるまる子育てに力を注いでいた彼女の12年ぶりのCDがこの「エアリアル:空気のような、と言った意味。」


一聴、印象に残らぬ単調な感じだけど、繰り返し聴くうちに、その単調さが心地よく聞こえます。そのうちの一曲「π(パイ:円周率)」の和訳は



♪優しくて穏やかでデリケートな男

強迫観念に駆られ

数字の虜になってしまった

彼はパイの計算に

完全に夢中になっている


ああ 彼は本当に 心から

数字を愛している

数字が彼を走らせる グルグルと

大きな円を描きながら

無限の円を走り続けている

3.1415926535 897932

3846 264 338 3279 (対訳:和仁りか)


 果たして、この男を愛しているだろう女性は男を振り向かせることが出来るでしょうか?・・・・・ちょっとあまり他の女性シンガーが歌わない曲かと思います。



水面に影をおとす岩の群れとその影がちょうど脳波のように見えるCDジャケットも印象的で、ケイト・ブッシュは以前精神科のお世話になったこともあるらしいですが、彼女にはサイコなイメージが付きまとうのも魅力的です。


 ケイト・ブッシュは、単調な旋律を重ね合わせることでそれを超え、まるで音符で「織物」を紡いでいるかのようです。ぜひ一聴のことを。


ケイト・ブッシュ(Kate Bush, 1958年7月30日 - )はイギリスの歌手、作詞・作曲家。

ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアに見出されレコードデビューに至った。それ以前、自分で売り込んだ際はレコード会社からは見向きもされなかった。

デビュー当時はアイドル的な見方もされたが、高い歌唱力をベースに高音から低音まで様々な声質を使い分け、トータルで独自の世界を展開するアーティストとして評価を得た。ステージで歌唱する際はダンスやパントマイムなどの体技を交え、一種のパフォーマンスを展開することが多い(シャイな性格のため、と言われる)。早い時期から凝った内容のプロモーション・ビデオも制作しており、音楽とビジュアルの融合にも意欲を見せていた。

完成度の高い作品を志向しているためか、割合に寡作なミュージシャンである。

レコードジャケットに東洋風の絵柄を用いるなど東洋の文化への興味が強いと言われる。1979年の世界歌謡祭に出演するため日本を訪れたが、それ以後は来日の経験はない。諸説あるが飛行機による長旅を嫌っているのが一因らしい。

以上Wikipediaより。




今日のひと言:私にとって女性シンガーは大貫妙子さんがモデルでしたが、海外の女性ミュージシャンにも目を向けようと思っています。



エアリアル

エアリアル

天使と小悪魔

天使と小悪魔

狂気(SACD-Hybrid)

狂気(SACD-Hybrid)

なお。当ブログ、開始から4年目に入りました。読んでくださる方々、ありがとうございます。

 

作者:iirei

更新日:2008年11月27日 16時3分

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パンドラの箱・・・ロシア・フォルマリズム

 *パンドラの箱・・・ロシア・フォルマリズム



 人類を苦しめようと考えたゼウスは、各神々の美点を集めた女を創造しました。「パンドラ=全てのものを与えられた女」。彼女はエピメティウスに嫁ぎましたが、ある箱を持たされ、「全ての悪が入っているので・空けてはならない」と言い渡されます。でも、好奇心旺盛な彼女が「空けるな」との戒めを守れるわけがなく、空けてしまいます。すると、あまたの「悪」が人間界に飛散します。ここで残っていたのが「希望」です。


 さて、以上はよく知られたギリシャ神話のひとつですが、ここで「素直」に読んでみましょう。そもそもこのパンドラの箱とは「全ての悪が入っている」ものでした。そうなると、箱に入っていた「希望」も「悪」であることにならないでしょうか?!!!!!!!!!!!!!!


 我々は、往々にして、一つの言葉に一定の意味しか見出せないですが、「希望」という言葉には、ここで炙りだしたような、負の意味もあるということです。まあ、悪だけでなく、一つぐらいは善が入っていたんじゃなかろうか?という反論も聞こえてきそうですが、それは置いときます。希望的観測という言葉は、あまり良いほうの意味に聞こえませんし、

かの論理哲学者L.ヴィトゲンシュタイン(ウィトゲンシュタイン)は「希望はしない」と書いています。(「論理哲学論考」)より。


 以上のお話は過去ログのコメント欄にも書いていますが

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080530

このお話は、友人に教えてもらったものです。彼は頭の切れる人でした。



 この種の文章理解法は、文芸理論では「ロシア・フォルマリズム」といいます。ここに、筒井康隆さんの「文学部唯野教授:同時代ライブラリー97/岩波書店」から、「ロシア・フォルマリズム」についての項目から引用します。

ただことばを変えるだけじゃなくって、そんなことばでもって今度は日常の、この見慣れた、われわれが住みなれた世界まで、突然見なれないものに変えてしまって、安心していられないようにしてしまう。これが要するに「異化効果を持っている」ということなんだね。(109P)



 つまりフォルマリズムというのはこのように、われわれが日常なんの気なしに経験していることを、言語の技法でもって、現実をびっくりするほど新鮮なものに変えてしまうのが文学だと主張したわけです。(112P)



「文学部唯野教授」は、学内外でのてんやわんやの騒動と、唯野教授が行なう真っ当な文芸批評理論の講義が同時並行的に合わさった怪作です。そのうち3講目がこの「ロシア・フォルマリズム」です。


異化効果についてはこれまでも触れてきましたが、

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20061105   中川いさみ

この読解法には「予断のない素直な視点」が必要です。

例えば、「この味噌汁はお袋の味がする」という演歌があった場合、「お袋の味」、そうか、「お袋を殺して食った」のか・「さては人喰い」・・・ブレーブな奴といった具合に読取るのです。


なお、「ロシア・フォルマリズム」について書かれた本も何冊か読もうとしましたが、その難解さのため、図書館に返しました。文芸評論家というのは、ことさら難しい言い回しをするんだな、と納得すると同時に呆れました。「唯野教授」での理解で十分だと思います。


また、家人の評判のよかった読み取りとして、さだまさしの「もうひとつの雨宿り」という曲で、男に見向きもされないといった内気の女の子に、プロポーズした男の子、「あなたが選んだのはこんなに小さな私の傘だなんて」という彼女が独白するフレーズが出てきますが、「そうか、この男性は傘がよかったのね」、なんて読解が可能です。傘フェチだったのですね。



今日のひと言:この異化効果という奴、あまり多用すると、現実界で居場所がなくなりますので、ご用心。なお、2年ほど前、東大寺学園の生徒が父に「こんどテストの成績が悪いと殺すぞ」と脅されたのですが、彼は素直に受け取ってしまい、「殺される前に」と自宅に放火したのだと聞きます。彼は広汎性発達障害だったそうです。

 

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

作者:iirei

更新日:2008年11月22日 0時0分

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サイヤ人は好戦民族か?・・・孫悟空(ドラゴンボール)の場合

 *サイヤ人は好戦民族か?・・・孫悟空(ドラゴンボール)の場合


 「ドラゴンボール:Dragon Ball」(鳥山明・作)と言えば、週刊少年ジャンプにおけるもっとも輝かしい時代を演出した作品で、我が家でも弟が全巻揃いで持っています。前に働いていた職場で、20歳そこそこの社員は、「ドラゴンボールZ」の再放送を見るのだと言って、そそくさと帰宅していったほどです。


 右の絵は、コミックス第8巻において、悪の帝国・レッドリボン軍の本部に単身殴りこみ、レッド総帥が「こんなエレベーターの使い方も知らんようなガキにレッドリボン軍がやられてたまるか・・・・・・!!」と歯軋りする場面でありまして、オトナに対してコドモが取りうる反撃の有様を見るようで、当時1987年、もっとも私を満足させてくれたマンガでした。オトナが設定したいろいろなルール、道具の使用法などを無効にしてしまうパワー。


 さて、「ドラゴンボール」には、おびただしく「敵」が登場しますが、主人公・孫悟空はどの敵とも、「手を抜かずに」修行しまた戦い、最後にはキング・オブ・ザ・ユニバースの座と言ったような境地に到達します。サイヤ人:カカロット/孫悟空は、産まれたときの将来期待できるパワーが不足している、との理由で、鎮圧が楽な「地球制覇」のために送りこまれたのです。ここまでは惑星ベジータの思惑通りでしたが、その期待に反して「尊敬される好青年」になったのです。


 さて、孫悟空は「殺戮を好む極悪人」ではなく「戦わなければならないから」戦うというスタンスを取っているように、私には思えます。いろいろな強敵の中で、「殺意を持って」孫悟空が戦ったのは、序盤の桃白白(タオパイパイ)と、ピッコロ大魔王、中盤のフリーザ、セルでしょう。


 強敵のうち、中盤のベジータと終盤の魔人ブウの場合、孫悟空はかれらの延命、生まれ変わりを願います。「これほど見事な敵にはもう会えないかも知れない」という意識が孫悟空の中にあったのでしょう。この辺、孫悟空が好戦的な「サイヤ人」であることの査証かも知れません。


 ただ、何も無ければ孫悟空は凶暴さを表にしません。理想的な君子です。


 私は、「サイヤ人=人類」と思っていいかも知れないと思慮します。どんな民族の誰であれ、君子の側面と殺人者の側面を持っているのだと。(もっとも、「サイヤ」は「ヤサイ」のアナグラムですね。平和的な感じもするのです。)


 私が好む中国の「陰陽五行論」で言えば、「木火土金水:もっかどこんすい」の5つは、「物質」のことではなく、「働き/機能」を意味し、金は「攻撃する」という働きを意味するのです。「働き」の一つに「攻撃」という要素があることを発見した古代中国人はさすがだと思います。


今日のひと言:「ドラゴンボール」でがっかりさせられたのは、孫悟空の妻になった「チチ」の教育ママっぷり。もっと素敵な妻・母になることを期待していたのですが。

二言目には「悟空が働きもしないで、ふらふらしている」と言うのですから、悟空も居心地が悪かったことでしょうね。


過去ログで取り上げたマンガ、アニメ(抜粋)


ブラックジャックによろしく

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070303

ピアノの森・のだめカンタービレ

     http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070711

ギャラクシー銀座

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080117

いじめ――ひとりぼっちの戦い――

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080317

 神社のススメ、フェティッシュ(田中ユキ)

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080401

もやしもん

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080421

静かなるドン

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080605

忍風カムイ外伝

   http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080913

MW

   http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080918


デスノート

   http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080923

 




作者:iirei

更新日:2008年11月17日 0時0分

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人口問題へのアプローチ・日本の適正人口は?







ロジスティクス曲線→

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Regression/growth/logistic.html)より

 以下は、過去ログからの引用の引用です。

『・・・ほんとに簡単な計算だが、一組の男女で子供を一人しか産まなければ一億の人間は一代で五千万人になるのは確実である。もう一代、一人ずつしか産まなければ人口は二千五百万人になって、もう一代たてば一千二百五十万人になるのである。三代たてばいまの東京都の人間だけで日本国中に住んでいいことになるのである。

  つまり、一人しか子供を産まなければ三代たてば土地が高いとか、部屋代が上がるとか、水が足りないとか、交通マヒなんてことは伝説になってしまうのである。こんな簡単な計算になるのだから人間がふえることは悪い状態なのである・・・』(213P−221Pのうち215P)

 以上の挑戦的な文章は「子供を二人も持つ奴は悪い奴だと思う」(人間滅亡の唄:深沢七郎:1971年:徳間書店)の一節です。このエッセイに対しては読む人の評価が大きく割れるだろうにせよ、強烈な世界観があると思います。

 

世界観の表出としてのエッセイ(山本一力と深沢七郎):

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070326



私も深沢氏と同様な感覚を持つ者です。私の住んでいる地域も、宅地化が進行していて、有効な「緑の植物」は減る傾向にあります。いつか、お隣のおばあさんが、「家が増えてよいことですねえ」と話掛けられ、「何がいいものか。」と応対したことがあります。


 そんなわけで、私は人類の数が少ないことを良しとしますが、世界を人口問題からみるとどうなのか知りたくて、「地球人口100億の世紀  人類はなぜ増え続けるのか」(大塚柳太郎、鬼頭宏:ウエッジ選書)を読んでみました。いわゆる「地球学」という学問なのですが、この学問分野は経済学より多彩な側面があるため、結構難しい議論がなされています。



特に核となる概念は「r戦略者」と「K戦略者」です。いずれも生物学の概念ですが、「r戦略者」は昆虫や魚のように、大量に卵を生み、自然の淘汰に行く末をまかせるタイプの動物で、「K戦略者」は少なく子どもを産み、大切に育てるタイプの動物で、哺乳類、なかでも霊長類がこれに当たります。「r戦略者」は、その増加が指数関数的で圧倒的に増えます。一方の「K戦略者」は、いわゆる「ロジスティクス曲線」に従い、初めは指数関数的ですが、最後には天井に当たって、一定数で安定します。



 人類が圧倒的に増えたのは、人類が「r戦略」をとったと見なせますが、これは農耕の起源と相前後するようです。先に人が増えたから農耕するようになったか、農耕するようになってから人が増えたのか。議論がさまざまあるようです。

 「r戦略者」になるとは・・・・人類が選んだのは「自己家畜化」のようだそうです。あたかも家畜を増やすように家族の人数を増やしていったのでしょうね。両戦略を兼ね備えているわけです。


以上の議論を踏まえてこの本を読めば、地球学の入門になるでしょう。それにしても、いずれ人類の全員の重量が地球より重くなるとは・・・考えられぬ事態です。



今日のひと言:有名なマルサスの人口論、人口は幾何級数的に増加し、農業生産量は算術級数的にしか増加しないので、いずれは人類の一部は食にありつけないという議論は、アメリカなどがバイオ燃料に穀物を転化している点で、当たっていると思います。



 今こそ、老子の「小国寡民」の実現をめざすべきなのでしょう。

エタノール車と「小国寡民」:http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070902



なお、日本の適正人口についての議論もあり、本書113pの記述では、平地を可能なかぎり水田に切り替えて、農薬、肥料、動力なしで、人力で自給したとして、おおむね4000万人あたりが可能な人口ではないか、という感じでした。石油ショックが起きたときの試算です。これは、国民ひとりひとりが自給自足的に化石燃料なしに農耕を業とした場合です。やれ旅行だ、遊びだと無駄な行動は抜きにしてのことです(これは、原書の表現を真似て書きました。)。これは、明治時代前期の人口数に当たります。



楢山節考 (新潮文庫)

楢山節考 (新潮文庫)

人間滅亡的人生案内 (1971年)

人間滅亡的人生案内 (1971年)

作者:iirei

更新日:2008年11月12日 15時57分

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ジャガイモ飢饉とケネディ大統領



 作物、とくにデンプン源の作物が、不作になった場合、ほぼ必ず飢饉は起き、住民は「この地に残るか否か」の選択を迫られます。

 ここに、民族大移動を起こしたと言ってよい大飢饉を取り上げます。

ジャガイモ飢饉(Potato Famine):

19世紀はじめ、イングランドによって土地を奪われたアイルランド人は小作農にならざるを得なかった。おもに麦を栽培していた小作農家たちは、地主に納めなくてもよく、荒れた土地でも栽培できるジャガイモの栽培を始めた。ジャガイモの栽培は急速に普及し、農民たちの主食となっていった。

しかし、1845年から1849年の4年間にわたってヨーロッパ全域でジャガイモにPhytophthora infestans菌による感染症であるジャガイモ疫病が大発生し、壊滅的な被害を受けた。これは"Great Famine"と呼ばれて、歴史の方向を変えたとさえ言われている。



さらに、ジャガイモは通常前年の塊茎を植えるという無性生殖による栽培法を用いるが、アイルランドでは、収量の多い品種に偏って栽培されており、遺伝的多様性がほとんどなかった。そのため、菌の感染に耐え得るジャガイモがなく、菌の感染がこれまでないほど広がった。ジャガイモが主食作物であった原産地のアンデス地方では、ひとつの畑にいくつもの品種を混ぜて栽培する習慣が伝統的に存在し、これが特定の病原菌(レース)の蔓延による飢饉を防いでいたのである。

以下はen:Great_Irish_Famine#Death_toll(11:34, 23 October 2007 UTC)の抄訳である

この飢饉の間にどのくらいの死者が出たかは不明である。しかし、ヨーロッパを広範囲に襲ったコレラやチフスよりも多くの死者が出たとも言われている。当時国勢調査はまだ始められておらず、教会に残された記録も不完全である。多くのアイルランド教会の記録は(アイルランド教会へのカトリック地方教会の十分の一税徴収の記録を含む)、1922年のアイルランド内戦の際にフォー・コーツより消失した。

一つの可能な見積もりとしては、1850年代の最終的な人口と比較することである。もし飢饉が発生しなければ、1851年にはアイルランドの人口は800−900万人になっていたはずだと考えられている。1841年に行われた調査では、人口は800万人を少し超えていた。

しかし飢饉の発生した直後、1851年に行われた調査では、アイルランドの人口は6,552,385人であった。10年でほぼ150万人が亡くなったと考えられる。


現代の歴史家と統計学者は、病気と飢餓のせいで80万人から100万人が亡くなったと考えている。加えて、100万人以上のアイルランド人がイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどに移民し、その後10年でさらに100万人が移住した。


以上はWikipedia 「ジャガイモ飢饉」の抜粋です。(コピペばかりでスイマセン。)

ここで言及されている移民には、後にアメリカ大統領、J.F.Kennedy(ケネディー)の一家も含まれます。ここで思いだすのは、ケネディの父が株式相場で、違法ぎりぎりの行為を行って、巨万の富を築くというお話。NHK「その時歴史が動いた」で取り上げられていました。以下のとおり。



その時歴史が動いた」の要約 

「1929年、ニューヨーク株価大暴落〜なぜパニックは起きたのか〜」

                        (2000/10/25放送分)

 第一次世界大戦で疲弊し、不況に陥ったヨーロッパに代わり、アメリカには

多くの富が集まり、株価は年々上がり続けた。当時の花形株の1つは1926年に

創設されたばかりのRCAラジオ局の株。この株で大もうけしたのがジョセフ

・ケネディ(JFケネディの父親)。1928年3月、ケネディは相場師仲間数人

で1300万ドルの資金を集め、RCA株の買い占めをはかった。1日で39万株と

いう大量の取引を行ない、RCA株はたちまち74ドルから91ドルに上昇。これ

を見ていた一般投資家も、RCA株に殺到し、翌日には109ドルにまで上がっ

た。株価が上がりきったと見るや、一転すべての株を売り払った。こうしてケ

ネディは、500万ドルもの利益をたった2日で稼いだ。こうした買い占めは現

在では禁止されている。・・・・・

 1929年8月になっても株価は上昇を続け、9月3日に株価の最高記録を更新

した。ケネディはじっと考えていた。やがて証券会社に電話し、手持ちの株を

すべて売り払い、取引から撤退すると伝えた。4日、リバモアは独自のルート

の極秘情報から暴落の予兆を感じ取り、26日にそれが現実のものとなる。イギ

リス中央銀行が大幅に金利を上げ、アメリカを上回る6.5%とした。その結

果、ニューヨークに投資されていた資金がより高い金利を求め、イギリスに移

動。リバモアが予想したように資金の流出はニューヨークにすぐに繁栄し、10

月からは株価に小刻みに下落し始めた。



http://www.melma.com/backnumber_10441_267051/

:「日本史なんて怖くない」より引用。(やはりコピペばかりで・・・スイマセン。)



ケネディー(父)の決断は見事なものでした。この決断によって将来の大統領を出す資金にできたのですから。なお、ケネディ(父)が株式取引をやめたのは、「靴磨きの少年」でさえ、株の話をしていることに、将来の株価暴落のにおいを感じ取ったからなのです。一方、リバモアは株をやり続け、最後には彼の予想を上回るように株は乱高下し、リバモアは拳銃自殺を遂げます。


今日のひと言:故郷で農業で辛酸をなめているからか、アイルランド移民には実業に就かず、株式取引、政治家などの虚業をこととする移民も多くいたのでしょうか?それとも虚業をやった人は少数派で、やはり実業をやる人が多数だったのでしょうか。興味深いところです。ともあれ、一種類の穀物(デンプン源)ばかりを糧とするのは、大変危険なことですね。


今日のひと言2:白人のケネディでさえ、ケルト民族の末裔ということで、アメリカを支配する「WASP:white anglo saxon protestant」に疎まれ、暗殺されました。オバマ次期大統領に、もしそれが起こったら、アメリカという国も、それだけの国ということになるでしょうね。


ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)

ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争 (岩波新書)

飢饉―飢えと食の日本史 (集英社新書)

飢饉―飢えと食の日本史 (集英社新書)

古代ギリシア・ローマの飢饉と食糧供給

古代ギリシア・ローマの飢饉と食糧供給

作者:iirei

更新日:2008年12月2日 7時10分

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ケイト・ブッシュ〜〜その心地よい単調さ:エアリアル




例によって図書館で手にしたCDがエアリアル(Aerial)。ミュージシャンはケイト・ブッシュ。二枚組みのCDで、90年代まるまる子育てに力を注いでいた彼女の12年ぶりのCDがこの「エアリアル:空気のような、と言った意味。」


一聴、印象に残らぬ単調な感じだけど、繰り返し聴くうちに、その単調さが心地よく聞こえます。そのうちの一曲「π(パイ:円周率)」の和訳は



♪優しくて穏やかでデリケートな男

強迫観念に駆られ

数字の虜になってしまった

彼はパイの計算に

完全に夢中になっている


ああ 彼は本当に 心から

数字を愛している

数字が彼を走らせる グルグルと

大きな円を描きながら

無限の円を走り続けている

3.1415926535 897932

3846 264 338 3279 (対訳:和仁りか)


 果たして、この男を愛しているだろう女性は男を振り向かせることが出来るでしょうか?・・・・・ちょっとあまり他の女性シンガーが歌わない曲かと思います。



水面に影をおとす岩の群れとその影がちょうど脳波のように見えるCDジャケットも印象的で、ケイト・ブッシュは以前精神科のお世話になったこともあるらしいですが、彼女にはサイコなイメージが付きまとうのも魅力的です。


 ケイト・ブッシュは、単調な旋律を重ね合わせることでそれを超え、まるで音符で「織物」を紡いでいるかのようです。ぜひ一聴のことを。


ケイト・ブッシュ(Kate Bush, 1958年7月30日 - )はイギリスの歌手、作詞・作曲家。

ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアに見出されレコードデビューに至った。それ以前、自分で売り込んだ際はレコード会社からは見向きもされなかった。

デビュー当時はアイドル的な見方もされたが、高い歌唱力をベースに高音から低音まで様々な声質を使い分け、トータルで独自の世界を展開するアーティストとして評価を得た。ステージで歌唱する際はダンスやパントマイムなどの体技を交え、一種のパフォーマンスを展開することが多い(シャイな性格のため、と言われる)。早い時期から凝った内容のプロモーション・ビデオも制作しており、音楽とビジュアルの融合にも意欲を見せていた。

完成度の高い作品を志向しているためか、割合に寡作なミュージシャンである。

レコードジャケットに東洋風の絵柄を用いるなど東洋の文化への興味が強いと言われる。1979年の世界歌謡祭に出演するため日本を訪れたが、それ以後は来日の経験はない。諸説あるが飛行機による長旅を嫌っているのが一因らしい。

以上Wikipediaより。




今日のひと言:私にとって女性シンガーは大貫妙子さんがモデルでしたが、海外の女性ミュージシャンにも目を向けようと思っています。



エアリアル

エアリアル

天使と小悪魔

天使と小悪魔

狂気(SACD-Hybrid)

狂気(SACD-Hybrid)

なお。当ブログ、開始から4年目に入りました。読んでくださる方々、ありがとうございます。

 

作者:iirei

更新日:2008年11月27日 7時3分

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パンドラの箱・・・ロシア・フォルマリズム

 *パンドラの箱・・・ロシア・フォルマリズム



 人類を苦しめようと考えたゼウスは、各神々の美点を集めた女を創造しました。「パンドラ=全てのものを与えられた女」。彼女はエピメティウスに嫁ぎましたが、ある箱を持たされ、「全ての悪が入っているので・空けてはならない」と言い渡されます。でも、好奇心旺盛な彼女が「空けるな」との戒めを守れるわけがなく、空けてしまいます。すると、あまたの「悪」が人間界に飛散します。ここで残っていたのが「希望」です。


 さて、以上はよく知られたギリシャ神話のひとつですが、ここで「素直」に読んでみましょう。そもそもこのパンドラの箱とは「全ての悪が入っている」ものでした。そうなると、箱に入っていた「希望」も「悪」であることにならないでしょうか?!!!!!!!!!!!!!!


 我々は、往々にして、一つの言葉に一定の意味しか見出せないですが、「希望」という言葉には、ここで炙りだしたような、負の意味もあるということです。まあ、悪だけでなく、一つぐらいは善が入っていたんじゃなかろうか?という反論も聞こえてきそうですが、それは置いときます。希望的観測という言葉は、あまり良いほうの意味に聞こえませんし、

かの論理哲学者L.ヴィトゲンシュタイン(ウィトゲンシュタイン)は「希望はしない」と書いています。(「論理哲学論考」)より。


 以上のお話は過去ログのコメント欄にも書いていますが

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080530

このお話は、友人に教えてもらったものです。彼は頭の切れる人でした。



 この種の文章理解法は、文芸理論では「ロシア・フォルマリズム」といいます。ここに、筒井康隆さんの「文学部唯野教授:同時代ライブラリー97/岩波書店」から、「ロシア・フォルマリズム」についての項目から引用します。

ただことばを変えるだけじゃなくって、そんなことばでもって今度は日常の、この見慣れた、われわれが住みなれた世界まで、突然見なれないものに変えてしまって、安心していられないようにしてしまう。これが要するに「異化効果を持っている」ということなんだね。(109P)



 つまりフォルマリズムというのはこのように、われわれが日常なんの気なしに経験していることを、言語の技法でもって、現実をびっくりするほど新鮮なものに変えてしまうのが文学だと主張したわけです。(112P)



「文学部唯野教授」は、学内外でのてんやわんやの騒動と、唯野教授が行なう真っ当な文芸批評理論の講義が同時並行的に合わさった怪作です。そのうち3講目がこの「ロシア・フォルマリズム」です。


異化効果についてはこれまでも触れてきましたが、

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20061105   中川いさみ

この読解法には「予断のない素直な視点」が必要です。

例えば、「この味噌汁はお袋の味がする」という演歌があった場合、「お袋の味」、そうか、「お袋を殺して食った」のか・「さては人喰い」・・・ブレーブな奴といった具合に読取るのです。


なお、「ロシア・フォルマリズム」について書かれた本も何冊か読もうとしましたが、その難解さのため、図書館に返しました。文芸評論家というのは、ことさら難しい言い回しをするんだな、と納得すると同時に呆れました。「唯野教授」での理解で十分だと思います。


また、家人の評判のよかった読み取りとして、さだまさしの「もうひとつの雨宿り」という曲で、男に見向きもされないといった内気の女の子に、プロポーズした男の子、「あなたが選んだのはこんなに小さな私の傘だなんて」という彼女が独白するフレーズが出てきますが、「そうか、この男性は傘がよかったのね」、なんて読解が可能です。傘フェチだったのですね。



今日のひと言:この異化効果という奴、あまり多用すると、現実界で居場所がなくなりますので、ご用心。なお、2年ほど前、東大寺学園の生徒が父に「こんどテストの成績が悪いと殺すぞ」と脅されたのですが、彼は素直に受け取ってしまい、「殺される前に」と自宅に放火したのだと聞きます。彼は広汎性発達障害だったそうです。

 

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

作者:iirei

更新日:2008年11月21日 15時0分

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サイヤ人は好戦民族か?・・・孫悟空(ドラゴンボール)の場合

 *サイヤ人は好戦民族か?・・・孫悟空(ドラゴンボール)の場合


 「ドラゴンボール:Dragon Ball」(鳥山明・作)と言えば、週刊少年ジャンプにおけるもっとも輝かしい時代を演出した作品で、我が家でも弟が全巻揃いで持っています。前に働いていた職場で、20歳そこそこの社員は、「ドラゴンボールZ」の再放送を見るのだと言って、そそくさと帰宅していったほどです。


 右の絵は、コミックス第8巻において、悪の帝国・レッドリボン軍の本部に単身殴りこみ、レッド総帥が「こんなエレベーターの使い方も知らんようなガキにレッドリボン軍がやられてたまるか・・・・・・!!」と歯軋りする場面でありまして、オトナに対してコドモが取りうる反撃の有様を見るようで、当時1987年、もっとも私を満足させてくれたマンガでした。オトナが設定したいろいろなルール、道具の使用法などを無効にしてしまうパワー。


 さて、「ドラゴンボール」には、おびただしく「敵」が登場しますが、主人公・孫悟空はどの敵とも、「手を抜かずに」修行しまた戦い、最後にはキング・オブ・ザ・ユニバースの座と言ったような境地に到達します。サイヤ人:カカロット/孫悟空は、産まれたときの将来期待できるパワーが不足している、との理由で、鎮圧が楽な「地球制覇」のために送りこまれたのです。ここまでは惑星ベジータの思惑通りでしたが、その期待に反して「尊敬される好青年」になったのです。


 さて、孫悟空は「殺戮を好む極悪人」ではなく「戦わなければならないから」戦うというスタンスを取っているように、私には思えます。いろいろな強敵の中で、「殺意を持って」孫悟空が戦ったのは、序盤の桃白白(タオパイパイ)と、ピッコロ大魔王、中盤のフリーザ、セルでしょう。


 強敵のうち、中盤のベジータと終盤の魔人ブウの場合、孫悟空はかれらの延命、生まれ変わりを願います。「これほど見事な敵にはもう会えないかも知れない」という意識が孫悟空の中にあったのでしょう。この辺、孫悟空が好戦的な「サイヤ人」であることの査証かも知れません。


 ただ、何も無ければ孫悟空は凶暴さを表にしません。理想的な君子です。


 私は、「サイヤ人=人類」と思っていいかも知れないと思慮します。どんな民族の誰であれ、君子の側面と殺人者の側面を持っているのだと。(もっとも、「サイヤ」は「ヤサイ」のアナグラムですね。平和的な感じもするのです。)


 私が好む中国の「陰陽五行論」で言えば、「木火土金水:もっかどこんすい」の5つは、「物質」のことではなく、「働き/機能」を意味し、金は「攻撃する」という働きを意味するのです。「働き」の一つに「攻撃」という要素があることを発見した古代中国人はさすがだと思います。


今日のひと言:「ドラゴンボール」でがっかりさせられたのは、孫悟空の妻になった「チチ」の教育ママっぷり。もっと素敵な妻・母になることを期待していたのですが。

二言目には「悟空が働きもしないで、ふらふらしている」と言うのですから、悟空も居心地が悪かったことでしょうね。


過去ログで取り上げたマンガ、アニメ(抜粋)


ブラックジャックによろしく

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070303

ピアノの森・のだめカンタービレ

     http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070711

ギャラクシー銀座

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080117

いじめ――ひとりぼっちの戦い――

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080317

 神社のススメ、フェティッシュ(田中ユキ)

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080401

もやしもん

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080421

静かなるドン

    http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080605

忍風カムイ外伝

   http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080913

MW

   http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080918


デスノート

   http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080923

 




作者:iirei

更新日:2008年11月16日 15時0分

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人口問題へのアプローチ・日本の適正人口は?







ロジスティクス曲線→

http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/Regression/growth/logistic.html)より

 以下は、過去ログからの引用の引用です。

『・・・ほんとに簡単な計算だが、一組の男女で子供を一人しか産まなければ一億の人間は一代で五千万人になるのは確実である。もう一代、一人ずつしか産まなければ人口は二千五百万人になって、もう一代たてば一千二百五十万人になるのである。三代たてばいまの東京都の人間だけで日本国中に住んでいいことになるのである。

  つまり、一人しか子供を産まなければ三代たてば土地が高いとか、部屋代が上がるとか、水が足りないとか、交通マヒなんてことは伝説になってしまうのである。こんな簡単な計算になるのだから人間がふえることは悪い状態なのである・・・』(213P−221Pのうち215P)

 以上の挑戦的な文章は「子供を二人も持つ奴は悪い奴だと思う」(人間滅亡の唄:深沢七郎:1971年:徳間書店)の一節です。このエッセイに対しては読む人の評価が大きく割れるだろうにせよ、強烈な世界観があると思います。

 

世界観の表出としてのエッセイ(山本一力と深沢七郎):

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070326



私も深沢氏と同様な感覚を持つ者です。私の住んでいる地域も、宅地化が進行していて、有効な「緑の植物」は減る傾向にあります。いつか、お隣のおばあさんが、「家が増えてよいことですねえ」と話掛けられ、「何がいいものか。」と応対したことがあります。


 そんなわけで、私は人類の数が少ないことを良しとしますが、世界を人口問題からみるとどうなのか知りたくて、「地球人口100億の世紀  人類はなぜ増え続けるのか」(大塚柳太郎、鬼頭宏:ウエッジ選書)を読んでみました。いわゆる「地球学」という学問なのですが、この学問分野は経済学より多彩な側面があるため、結構難しい議論がなされています。



特に核となる概念は「r戦略者」と「K戦略者」です。いずれも生物学の概念ですが、「r戦略者」は昆虫や魚のように、大量に卵を生み、自然の淘汰に行く末をまかせるタイプの動物で、「K戦略者」は少なく子どもを産み、大切に育てるタイプの動物で、哺乳類、なかでも霊長類がこれに当たります。「r戦略者」は、その増加が指数関数的で圧倒的に増えます。一方の「K戦略者」は、いわゆる「ロジスティクス曲線」に従い、初めは指数関数的ですが、最後には天井に当たって、一定数で安定します。



 人類が圧倒的に増えたのは、人類が「r戦略」をとったと見なせますが、これは農耕の起源と相前後するようです。先に人が増えたから農耕するようになったか、農耕するようになってから人が増えたのか。議論がさまざまあるようです。

 「r戦略者」になるとは・・・・人類が選んだのは「自己家畜化」のようだそうです。あたかも家畜を増やすように家族の人数を増やしていったのでしょうね。両戦略を兼ね備えているわけです。


以上の議論を踏まえてこの本を読めば、地球学の入門になるでしょう。それにしても、いずれ人類の全員の重量が地球より重くなるとは・・・考えられぬ事態です。



今日のひと言:有名なマルサスの人口論、人口は幾何級数的に増加し、農業生産量は算術級数的にしか増加しないので、いずれは人類の一部は食にありつけないという議論は、アメリカなどがバイオ燃料に穀物を転化している点で、当たっていると思います。



 今こそ、老子の「小国寡民」の実現をめざすべきなのでしょう。

エタノール車と「小国寡民」:http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070902



なお、日本の適正人口についての議論もあり、本書113pの記述では、平地を可能なかぎり水田に切り替えて、農薬、肥料、動力なしで、人力で自給したとして、おおむね4000万人あたりが可能な人口ではないか、という感じでした。石油ショックが起きたときの試算です。これは、国民ひとりひとりが自給自足的に化石燃料なしに農耕を業とした場合です。やれ旅行だ、遊びだと無駄な行動は抜きにしてのことです(これは、原書の表現を真似て書きました。)。これは、明治時代前期の人口数に当たります。



楢山節考 (新潮文庫)

楢山節考 (新潮文庫)

人間滅亡的人生案内 (1971年)

人間滅亡的人生案内 (1971年)

作者:iirei

更新日:2008年11月12日 6時57分

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