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トップ > techclunch > techclunch - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年11月23日 11時)

アンチテレビとしての"The Final Inch"


GoogleがYoutubeをハイディフィニション化した流れで、Google.orgが企画・製作したある公衆衛生に関するビデオの高画質版をリリースした。

The Final Inch  [http://www.thefinalinch.org/]


そのビデオとは、ポリオ撲滅に従事する医師、ケースワーカー、そしてポリオの被害者からなるショートムービーのシリーズである。先進国ではポリオウィルスは根絶されたといわれているが、インド、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタンでは依然として子供に被害を及ぼし続けている。ポリオは人から人に移る感染症であり、ポリオウィルスがもたらす急性灰白髄炎に一度かかると、有効な治療法はない。現在では安全で安価なワクチンが開発されているので、ワクチン接種をすれば高い確率で予防をすることができるのだ。このショートムービーシリーズは、このワクチン接種に携わる医療従事者の活躍を中心に描いていて、ポリオの災禍がまだ終わっていないことを気づかせてくれる。5話目、6話目に出てくる、インドにおけるUnicefのポリオ撲滅キャンペーンのリーダーであるMichael Galway氏 [http://www.iht.com/articles/2006/08/01/news/polio.php]の話が印象的だ。「天然痘撲滅のときには、天然痘ウィルスの脅威を人々に根付かせることができたから成功を納めることができたのだ。」

ちなみに、The Final Inchとは旧ソ連の作家アレクサンドル・ソルジェニーツィンの"First Circle(煉獄の中で)"に出てくる言葉で、以下の通りである。

The rule of the final inch . . . The work has been almost completed, the goal almost attained . . . In that moment of fatigue and self-satisfaction it is especially tempting to leave the work without having attained the apex of quality . . . In fact, the rule of the Final Inch consists in this: not to shirk this crucial work. Not to postpone it . . . And not to mind the time spent on it, knowing that one’s purpose lies . . . in the attainment of perfection.

そうなのだ、ポリオ撲滅もfinal inchまで来ていて、このfinal inchを抜かすことができないのだ。

このドキュメンタリームービーの編集版は2009年にHBOで放映するそうで、その後にDVDも発売されるそうだ。それにしても、このような、きちんとした内容に基づくWebによる高画質の動画のインパクトの大きさ、いつでもどこでも何度でも視聴可能であるというコンテンツの入手可能性からくる、教育効果の浸透の可能性には感動すら覚える。

僕と僕の家族はもう何年もテレビを観ていないので、あまりメディアについてモノを言う資格はないのだが、それでも言ってしまうと、マスに向けた「放送」という形態を取るテレビは、政府規制のパチンコや競馬やタバコと同様の大衆向け"Distraction"メディアの役割しか残されていないと確信している。今でもそうだったが、これからは一層その傾向が強くなると思う。テレビはその性質上、マスという平均的なターゲットに向けたコンテンツしか放送できない。そして、放送予定という時間枠に固定されて、コンテンツがダラダラと流されているだけなので、繰り返しの視聴にもとづく学習が困難なメディアだ。民放にいたってはスポンサーからのインカムという絶対条件のために、視聴率の確保が必至である。こういった状況から、テレビは短期的な視聴者の感情の高揚とその回収を行うことで、視聴率を効率良く稼ぐ技術ばかりを獲得してきた。そして、現在ではその技術しかなくなってしまっているようだ。テレビは、テレビの出演者が与えられた役割を演じ、それを視聴者が観ることで感じるショートタームの感情の発露をその場で清算させる装置なのだ。政府や行政に床屋談義的に憤ったり、擬似的な感動でカタルシスを体験したり、偽のサスペンスでハラハラしたりという、大衆の感情の高まりをその場で清算させるために、大衆とマスメディアが共同して構築してきた装置なのだ。テレビは繰り返しの学習が困難で、テレビを観たというだけで感情が消費されてしまうので、コンテンツのメッセージに持続性がなく、メッセージが視聴者の行動に結びついていかないのだ。

容易に想像できるのは、僕らの子供が大きくなったときに、テレビを観ているのはジジイになった僕らの世代で、世界と時代から完全に取り残されているだろう、ということだ。ボソボソ独り言を言いながら、オツム用の老人用オムツとしてテレビを見続けるボケ老人の群れ、ゾッとするな。もしも自身のそういう将来がイヤなら、簡単なことだ、今からテレビを観ないことだ。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月20日 10時34分

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Jerry Yang to Step Down Following Appointment of New CEO

JerryはやっぱりCEOは辞めちゃうんだな、キッツイから。でも会社は辞めないんだな。Chief Yahoo!というよく分からない名誉職に残るみたいだし、何よりボードメンバーであり続けるみたいだ。

Yahoo! Conducting Search for New CEO [http://yhoo.client.shareholder.com/press/releasedetail.cfm?ReleaseID=348088]

うーん、辞め時を完全に失ったな。というか、未だ若いんだし超金持ちなんだから、すっぱりと別のことに挑戦すりゃあいいじゃんか。世界はヒーローを必要としているんだしさ。なんか、所詮その程度の器かよ、と思ってしまうとガッカリ感で一杯になるな。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月18日 23時46分

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YoutubeがHDに対応

ああっ、ここでもGoogleの快進撃が…。

http://www.youtube.com/watch?v=zlfKdbWwruY&fmt=22


Youtubeがハイディフィニションに対応である。こいつは、だいぶインパクト大きいと思う。なにせ、Youtubeが本格的な商用動画やCM・プロモーションを乗せることができるプラットフォームになっちゃたからだ。ケーブルテレビ局や地方放送局や動画ネット配信会社の目論見が目の前で崩れていくのが目に浮かぶ。

何より肝に銘じるべきは、現在絶好調のGoogleと同じサービスドメインで勝負しちゃ駄目だ、ということだ。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月18日 13時48分

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Google Flu Trends

うー、またGoogleに先超されちゃったよ。



Google Flu Trends [http://www.google.org/flutrends/]

仕掛けは、インフルエンザ関連の検索語、"flu"だとか"flu vaccine"だとか、の頻度とCDCのFlu Serveyの相関が高いことに注目し、インフルエンザ流行のインジケーターに使うというもの。そして、そのアイディアの実装がGoogleらしく、かしこくすばらしいものになっている。

もちろん、条件としては、広くみんながGoogleを検索エンジンとして利用しているという状況、そしてきちんとしたインフルエンザサーベイが存在していること、という二つが必要だ。その意味で北米での展開は正しい。日本やアジアではちょっと難しいかも。

http://www.google.org/about/flutrends/how.html

インフルエンザ以外の疾病にも応用できるのはもちろんだ。今となっては負け惜しみに過ぎないけれど、Google Trendsが導入された直後から、このアイディアは僕も周りには話していたのですよ。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月14日 9時10分

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Great wave would be coming here...

コレは完全なポジショントークだし、個人的なゴーストの囁き [http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88_(%E6%94%BB%E6%AE%BB%E6%A9%9F%E5%8B%95%E9%9A%8A)#.E6.8A.80.E8.A1.93]としか言いようがないのだけれど、ようやく来つつありますな、太平洋戦争が引き起こした焦土以来のビッグウェイブがこの日本に。

いままでビッグでエスタブリッシュなポジションに居続けた企業や既存勢力が次々に自然崩壊してダメになっていく中で、気合いと無根拠な自信と持続力とちょっとした能力があり、プロダクトアウトのサイクルが短い人間がやっていける時代になりそうなのだ。戦争や疫病や災害が無い限り、僕が生きている限り、日本ではもうこれが最後だと思う。もうアガッてしまった人にも、リスクをとれずにサガリっぱなしの人にも、ブルシッターに煽られて流行ものを追った挙げ句USに行っちゃって不幸にもハシゴを外されている人にも、申し訳ないけれど勝手に精一杯やらせてもらいますよ。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月11日 23時37分

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Maria Rita初来日公演


いろいろな方面に義理を欠いている身ではあるのですけれど、全て棚に上げた上で、ヨメとMaria Rita [http://kashino.exblog.jp/7048225/]の初来日公演を観に、中野サンプラザまで行ってしまいました。すんません。

いやいや盛り上がりましたよ。後半からは全席立ち上がって踊りまくりの騒ぎまくり状態でしたよ。明らかに50台を超えているオッサン(元社交ダンス部、Shall We Dance希望系)数名が通路にて華麗なステップで踊っていた。隣のアフターファイブラテンダンス系OLはムチャクチャ弾けていたのだが、その彼氏がずっと座ったまま腕組みしてドン引きしていた。たぶん彼は会場でも貴重なドン引きメンバー5名くらいの貴重な一名になっていたから、おそらくあのカップルの行く末は長くないと推測される。もちろん、僕はいつも通り一番騒いで楽しんで狂っていた系だったし、ヨメはよく分からないリズムで独特の楽しみ方をしていた。Maria Rita本人は、最初の方は、緊張で手が震えているなんて言っておきながら、堂々とした歌いっぷりで、最後のアンコールでは歌いながら観客の盛り上がりをビデオで撮っているほどリラックスしていた。そう、かなり満足なライブだったのだ。

曲構成は一番新しいアルバムのSamba Meuが中心になっている感じであった。中でもサンバ系の"Maltratar, Não é Direito"や'O Homem Falou"がかかると会場内で合唱が起きるほどの盛り上がりだった。ブラジリアンなリズムセクションが非常に厚くて、かなりノリノリなカンジ。Maria Ritaのボーカルも伸び伸びとしていて、情感豊かな素晴らしいものだった。ちょっと残念だったのは、必殺技"Encontros e Despedidas"のアレンジが簡素で、アルバム"Maria Rita"にあるような壮大なスケールがなかったことかな。しかし、生"Encontros e Despedidas"を聴いて感動したのは事実ではある。

いやもう、お母さんのElis Reginaをいたるところで彷彿しまくりということはあるにしても、独自のMaria Ritaグルーブにやられまくりでした。楽しかった!!

作者:yutakashino

更新日:2008年11月10日 23時18分

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US大統領選挙後のアレコレ

USの大統領選挙は、それなりに納得した形で終わって、僕も非常に楽しませてもらった。8年前のW. Bush vs Goreに負けず劣らず面白いスペクタクルで、いいモノを観させてもらったと思う。Gov. Palinとかフツーあり得ないし。意外性とどんでん返し、強烈なマイクアピールのどの点をとってもWWE [http://en.wikipedia.org/wiki/World_Wrestling_Entertainment]などよりずっと面白すぎるよ。

その大統領選挙であるが、4年または8年に一度のお祭りなだけに、そのおつりがそこここに散らばっている。


まず、Obamaのビクトリースピーチ [http://kashino.exblog.jp/7638204/]の一番の盛り上がり部分に出てきた、106歳のおばあちゃんAnn Nixon CooperについてのリキャップがTime Onlineにあった。

Ann Nixon Cooper: the history woman [http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/us_elections/article5093863.ece]

彼女の人生がアメリカの歴史に重なるというすごいもの。それにしても、Obamaは本当に素晴らしいスピーチライターを抱えていると思う。これは今後も彼の武器になるだろう。

次に、Obamaが大統領になるということで、各地で銃砲店の売り上げがにわかにすごくなっているという話。それというのも、Obamaは強硬なガンコントロール派だから、Obama政権では強力なガンコントロールが起きるだろうと予想できるので、今のうちに買うことができるものは買っておこうという、ビックリマンチョコ買い占め小学生並の知能しかないレッドネックオヤジどもが銃砲店に押しかけているそうだ。うーん…。

On Concerns Over Gun Control, Gun Sales Are Up [http://www.nytimes.com/2008/11/07/us/07guns.html?_r=1&oref=slogin]


さて、選挙戦終盤でムチャクチャ話題になった時の人、"Joe The Plumber"がタレント事務所に登録し、自分のwebサイトを開いたというオフトピックもある。

http://secureourdream.com/index.html

ブログも近々開くそうで、"Joe The Blogger"にもなるそうだ。いや、こいつはうまくいかないだろうよ。結局は一発屋で終わるだろうということで、敢えて"Joe The One-hit Wonder [http://en.wikipedia.org/wiki/One-hit_wonder]"と言わせてもらうよ。

最後に、僕的なObama次期大統領についての懸念事項は、生意気だが的確で鋭利な政策研究者のWill Willkinsonの次のコメントに簡潔に言い表されているかな。

Advice to President-elect Obama [http://marketplace.publicradio.org/display/web/2008/11/05/wilkinson_advice_to_obama/]

作者:yutakashino

更新日:2008年11月8日 13時49分

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Obama: Victory Speech

Obama: Victory Speech [http://elections.nytimes.com/2008/results/president/speeches/obama-victory-speech.html]

これは素晴らしいビクトリースピーチだ。イデアリズムなんて青臭いと本来ならシニカルに突き放したいところだけれど、こんなリーダーをいだける国が正直うらやましい。もちろん、おバカな金持ちボンボンとそのグリーディーな仲間たちが現在も政権をハンドルしているのは、その当の同じ国ではあるけれど。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月7日 2時16分

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The next President of the United States


盟主国家ともなると土壇場で市民がキチンと判断できるわけだ。さすがにUSは捨てたものじゃないと思う。

史上初?の腹筋六つ割れスポーツマン大統領の登場ということで、多幸感に満ちあふれている彼の国である。しかし、現政権が残した廃棄物で一杯という現実がある。誰を経済・財政アドバイザーに指名するかというのが肝かな。選挙中の保護貿易主義的な発言も気になるところだ。

それにつけても、相変わらずのThe Big Pictureのフォトエッセイ [http://www.boston.com/bigpicture/2008/11/the_next_president_of_the_unit.html]は素晴らしい限りである。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月6日 8時57分

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Value Attributeという盲目:Joshua Bellの例


時間を見つけてBrafman兄弟の書いた行動心理学の一般向けエッセイである"SWAY" [http://www.amazon.com/dp/0385524382]を読んでいる。この本は、行動心理学の最新成果について事例込みでわかりやすく、そして面白く書かれていて、素晴らしいのだ。このエントリの話題はそこからの例として知った。

アメリカ出身の世界的バイオリニストの一人にJoshua Bell [http://en.wikipedia.org/wiki/Joshua_Bell]がいる。超絶技巧をもつナチュラルスタイルの神童として名を轟かせたヴィルトォーゾももう40歳だ。テクニックはもちろんのこと年齢を重ねてきて円熟味が増してきて益々演奏に磨きがかかっている。90年代には日本でも美少年・美青年バイオリニストとして女子・オバちゃんの間で一世を風靡したが、最近はそれらのファンは五島龍に移ってしまって、Joshua Bellについては日本では知る人ぞ知る存在になっている。

そのJoshua BellとWashington Postが、ある種のイタズラをやったのだ。それは、3億5千万円のストラディヴァリウスを使ったBellのバイオリン独奏を朝のラッシュ時に地下鉄の入り口でおこなったのだ。場所はWashington, D.C. L’Enfant Plazaで、2007年1月12日の朝7時51分に演奏を開始して、演奏は43分間続いた。なにせ世界的バイオリニストだから、普段のチケットは$150以上もするのが通常であり、それもすぐにソールドアウトする。それがなんと無料で聞けるという大サービスのパフォーマンスだ。曲目は、超絶技巧を必要とするバッハの無伴奏バイオリンパルティータ2番のシャコンヌで始まり、アヴェ・マリアなど数曲を弾いた後、最後にまたシャコンヌの最後のパートを弾くというものだった。

演奏中のJoshua Bellの格好はジーンズに野球帽という通常のストリートパフォーマーと同じ格好である。さて、結果はどうか?この模様はWashington Postがビデオに撮っているので、まずはそれをみて欲しい。

www.youtube.com/watch?v=hnOPu0_YWhw


地下鉄入り口での独演会の最中に1097人がBellの前を通り過ぎたが、一人を除いて誰も気づかず、数分以上足を止める人もいなかったのだ。そう、世界的なヴィルトォーゾが直前で弾いているのにもかかわらずだ。Bellに気づいた唯一の一人は、三週間前にBellのチャリティーコンサートを聴いた、商務省に勤める日系人Stacy Furukawaである。Furukawa はまさにBellの演奏が終わる2分程度前に通りかかり、そのままBellの演奏に立ちつくしたのだ。ちなみにFurukawaの拍手は日本人の女子がよくやる、肩をすくめて小さくパチパチと手を控えめにたたく我々日本人におなじみの仕草であり、拍手の仕方になんとも民族的、遺伝的なものを感じる。結局、この演奏にてBellがストリートミュージシャンとして稼いだお金は、Bellを知っているFurukawaが差し出した$20を除いて、$32.17である。

このことは何を意味するのか。つまり世界的なヴィルトォーゾといえども、人間がもつValue Attributeの偏見を崩すことができないのだ。首都の朝のラッシュ時に、地下鉄の入り口で、ジーンズ姿のストリートミュージシャン風体が、どんな超絶演奏を披露しても、それは人々の関心を引くことがないのだ。この人々の偏見に基づいた行動を、"SWAY”ではValue Attributeという用語を与えているが、行動経済学の文脈では、KahnemanとTverskyの提唱したプロスペクト理論 [http://prospect-theory.behaviouralfinance.net/]における、フレーミングのバイアスと代表性ヒューリスティックの過誤の混合した概念だとみてよいだろう。僕らの偏見は、この例で明らかなように、あまりに強固であるのだ。

このイタズラ実験についての詳しいレポートは、以下のWashington Postの記事に詳しく報じられているので、是非ともみて欲しい。
www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/04/04/AR2007040401721.html

作者:yutakashino

更新日:2008年11月3日 23時46分

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死にゆくジャズスノビズムのダメさ加減

次の動きのために、最近はよく夜の打ち合わせをすることが多い。先日僕のビジネス上のメンターと飲みながら今後のことをディスカッションしたのが、神田のジャズバーである。テーブル席が1つとカウンターだけの小さなバーなのだが、大きめのJBLのスピーカーと真空管アンプから流されているのは、Miles Davisであり、Bad Powellであり、John Coltraneである。カウンターの奥の棚には200枚くらいのCDが並んでいる。

やはりMilesは神だとか、Bud Powellは今でも古びていないなんて、とりあえずの御為ごかし会話をマスターとした後に、でも今はUSのミュージシャンは訓詁学的すぎてイマイチで、彼らよりもイタリアンジャズだとか、北欧ジャズ、そしてブラジル・アルゼンチンのジャズがスゲエんですよ、そしてなんて言ってもバークリー出身なんかじゃないElizabeth Shepherd [http://kashino.exblog.jp/7383059/]などの女子のジャズこそ次の時代を切り開くんですよ、なんて話を振ったのだ。するとマスターは「僕にとってのジャズは、ここにある巨匠・名盤のCD群にほかならず、その他は全く認めないし、ジャズではない。」などと言い放ったのだ。あまりの典型的ジャパンなジャズスノビズムに鼻白んだ。

それでも、確かに天才や巨匠はすごいと思うけれど、彼らは死んじゃったからライブに行けないじゃないですか。Sony Rolinsは生きているけれど、もうおじいちゃん過ぎてライブはかなりイマイチですよ、なんて言い返すと、「ジャズは既に終わった歴史なので、ライブは必要ない。それに、これらのCDを何度も何度も聴いていると聴く度に新しい発見がある。僕にはこれで十分だ。」なんて返された。なんたる典型的なジャズスノッブか。こういう進化を否定する訓詁学的態度に辟易して、早々に退散した。

こういったジャパンなジャズスノビズムは、60年代から70年代の日本のある特殊な環境下での舶来音楽の受容過程に端を発している。ミネソタ大学のジャズ史家であり、ピアニストでもあるマイク・モラスキー氏の分析 [http://www.frsys.co.jp/coinage/fp/109/109_1.html]にあるとおり、これらの時期において日本は貧しくて、一般家庭にはハイフィデリティのオーディオセットやレコードが購入できない状況だった。なにせ一枚のレコードがサラリーマンの月収の1/10の時代だ。日本でジャズをキチンと聴こうとしたらジャズ喫茶に行くしかなかったのだ。ジャズ喫茶でしかジャズが聴けないということから、そこではみんなが真剣に聴くために、もちろんのこと私語厳禁である。喫茶店なのに私語厳禁。それに加えて、ジャズ喫茶の外では、演奏パーソネルのプロフィールや過去の演奏曲目を、英単語の暗記のように一生懸命覚え込んで予習を欠かさない、という具合だ。このように舶来音楽のリスニング機会が圧倒的に限定されていたから、楽譜も読めなけりゃ楽器も演奏できないのにも関わらず、一曲に対して重箱の隅をつつくほど深く聴き、人と違った解釈を如何にするかということが、リスナーとしての成熟度を表すバロメータになるという、倒錯した状況を生み出した。こういった、日本の貧乏さ、舶来をありがたがる心情、すべてを「道」にしてしまう日本人の傾向などが、リスニング機会の逼迫と組み合わさってジャズスノビズムが形成されてきたのだ。

翻って現代だ。Blue Noteの名盤アルバムなんて、2枚で1500円セールであるのは珍しくなくなったばかりか、一曲150円もせずにiTSやAmazonで音楽がオンライン購入できる。中古CDも市場に溢れかえっている。そもそもだ、P2Pが全盛なので、欧米中の学生でCDを買う人間なんて皆無であるといってもよいほどだ。僕のiPodをみても、音楽だけで約4000曲、27GBくらい入っている。それ以上に、コンピュータネットワーク環境の発達とグローバル経済の浸透により、アフリカや南米やインドや中東やアジアの音楽が簡単に手に入るようになっている。第三国の音楽家は、英米のポピュラーな音楽の圧倒的洗礼を受けているのはもちろんだが、自分のローカリティを否定せずむしろそれを活用してオリジナルに溢れる音楽を作り出しているのだ。このグローバリティとローカリティの相克から出てくる音楽的進化の息吹を感じもせずに、巨匠だとか名盤だとか言い放つ厚顔無恥ぶりにはあきれるしかない。

つまり、我々はこれまで地球上にあり得なかった程の圧倒的な量で多様な音楽のリスニング機会を迎えているのだ。それなのに、リスニング機会の逼迫時代に生み出された地域性の徒花を後生大事にしてスノビズムを気取り、進化を否定するのは、ただの狭量かつ無能な態度に過ぎない。ジャズスノビズムなんて、生殖機能の低下を迎えたジジイの癖で全然カッコよくないばかりか、新しいものを何も生み出さないダメな嗜好だよ、というのは頭の片隅に入れておいた方がいい。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月3日 1時34分

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Jazzanova "Of All the Things"

Jazzanova "Of All the Things" [http://www.amazon.com/dp/B001FBJTYQ]

こいつは見事にツボにはまった。

前作 [http://www.amazon.com/dp/B000068G9Y/]もかなりのクォリティだったが、電子サウンドが、文字通り音を潜め、ソウルフルでアコースティックな音作りになっている。この落ち着いたシットリ感にやられてしまう。

どこを聴いてもソウルなボーカルが目白押しで素晴らしすぎる。ボーカルはPaul Randolphなどすべて一流どころを起用している。出た瞬間にクラッシックになるという出来。今年聴いたアルバムで確実に5指に入ると思う。捨て曲は一切無い。どの曲もオススメである。まさにグルーブモンスターの名に恥じないアルバムだ。

彼らのMySpace [http://www.myspace.com/jazzanovask]にて今回のアルバムの全曲が視聴できる。聴けばわかるが、これから数年はFM各局の音楽番組がヘビーローテーションすること間違いない。

こいつは強力リコメンドですな。

作者:yutakashino

更新日:2008年11月1日 23時2分

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bloggingheads.tv rocks!


最近のiPodでのMovie生活について。

ここ三ヶ月程は圧倒的にドラマや映画の購入回数が減っている。といっても、Battlestar Galactica Season4, Terminator: The Sarha Connor Chronicle Season2, Fringe Season1は欠かさずに購入して観ているけれど。
#え、これだけ観てれば十分だって?確かに…。

それよりも、USの大統領選挙やら金融危機やらと、リアリティがドッカンドッカンと盛り上がり中なので、対談系のコンテンツが面白くてしかたないのだ。その対談系コンテンツのうち、なんと言ってもオススメのモノがbloggingheads.tvである。

bloggingheads.tv [http://bloggingheads.tv/]

これは、ブロガーであるオピニオン系やサイエンス系の雑誌の編集者や、大学の研究者、シンクタンクの研究員を中心とした二人の登場人物が、あるトピックについて対談形式で掘り下げていくコンテンツを提供しているサイトだ。対話をする二人の映像が右と左に映っていて、ヘッドセットとWebカムを通じて一時間くらいの対談をする。コンテンツはflv形式となっていて、PCではプログレッシブダウンロードで視聴するのだ。おそらく、何らかのwebベースのカンファレンスシステムを利用しているのだと思うが、音質・画像ともにひどくはない。

コンテンツは、さすがにUSのブロガーの中でもインテレクチュアルズを代表する人たちが出演しているだけあって、ロジカルで鋭利な対談が多い。日本のよくある、御為ごかし褒め殺し対談とか、朝生系ガキの意地の張り合い対談などとは全く違う、当たり前だけれど。ただインテリしか出演しないので、だいぶリベラリズムやリバタリアニズムの方向に傾いている気はする。

コンテンツは政治、経済、サイエンス、福祉、社会、イラク情勢、中国の影響等、USが絡むことなら何でもござれ、というカンジである。最近ではRobert Shillerが出てきてサブプライムについての解決手段を対談した回が面白かった。
The Subprime Solution [http://bloggingheads.tv/diavlogs/15125]

また、Jonathan Haidtが出てきた対談で、リベラル政党支持派と保守政党支持派を行動心理学的に実験して、その行動傾向を比較考察した回もかなり面白かった。
Science Saturday: Liberals vs. Conservatives [http://bloggingheads.tv/diavlogs/13700]

このbloggingheads.tvはコンテンツの質はもちろんであるが、僕的になんといってもうれしいのは、iPodに落として時間のあるときに観ることが出来るオプションを持つことができることだ。8月まではavi形式と音声のmp3しか対応していなかったので、一度avi->mp4変換をかませなければ、iPodに持って行けなかった。しかし、先月からmp4も対応してくれたので、バッチリなのだ。

日本の日曜日の朝にやっているテレビの対談番組を観たり、新聞を毎日読んだりする行為に比べて、電車でiPodを利用してbloggingheads.tvを観たり、The EconomistのAudio editionを聴いたりしているほうが、頭が悪くなくなりにくいと思う。確実に。

作者:yutakashino

更新日:2008年10月26日 22時33分

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半導体娘計画にみるイノベーションの埋没

半導体娘計画  [http://www.nicovideo.jp/watch/sm5042812]

ニコ動コンテンツで初めてオオッと感じた。

会社員としてハードウェア記述言語(HDL)で回路設計をしているヨメにコレを見せたのだが、知り合いだったらヤダなあーと言っていた。彼女の会社は古くからの一部上場の通信機器製造メーカーで、こういう専用チップの回路設計技術をもったハードウェア技術者がゴロゴロいるのだ。彼ら技術者は、終身雇用だけれど安月給で、残業しまくりなのに好きな仕事だからと黙々と会社員で居続けるのだ。ちなみにコンピュータ技術者と大きく括った場合、日本の場合60%がハードウェア技術者で、40%がソフトウェア技術者である。ハードウェア技術者のほうが割合が多いのだ。

たしかに、以前はハードウェア設計やハードウェアの製造には、プロトタイプ製造であっても、それなりの設備が必要で、大きな会社組織でないとできないことも多かった。しかし、このニコ動をみてもわかるように、FPGAを利用すれば個人でも専用回路を持ったハードウェアを実装することができてしまう世の中になっているのだ。ちょっと、根性が必要だけれど。それに加えてだ、昨日のThe Economistの記事紹介(http://kashino.exblog.jp/7602086/)でもあるのだけれど、これからいろいろな情報サービスがcloudコンピューティングになっていき、そのサービスを受け取るクライアントサイドには、PCや携帯以外にも多様なハードウェアデバイスが登場してきている。そして、チップの処理性能と省電力性能が年々上がっているから、もっと奇抜なアイディアのハードウェアであっても実現可能になる素地を持っているのだ。

勤勉で優秀なハードウェア技術者を多数抱えていること、世界に冠たるブロードバンド網を持っていること、Amazon Web Serviceを初めとしたcloudコンピューティング環境がガチで揃っていること、オープンソースソフトウェアがここまで浸透して高品質なソフトウェアに容易にアクセスできること、そして昨今の金融危機の影響を直接受けていない金融機関が多数存在すること、これらの日本が置かれている条件を考えた場合、コンピュータ技術における日本人技術者のグローバルチャレンジは今が旬で、もしかするとこの機を逃すと二度と日本の目の前には現れないかもしれない。

いや本当に、今やらないと全部台湾に持って行かれちゃうよ、マザーボードを端緒として、液晶や携帯端末、ノートパソコンを根こそぎ持っていたように。この半導体娘計画の人がどのような人であるかはわからないけれど、ヨメの会社の技術者のようにハードウェア実装のかなり高度な技術はあるのだが、それをビジネス的に活かすことが出来ない技術者は、それこそ1万人くらいはいるのだ。余暇としてニコ動や他の趣味を箱庭的に遊ぶのも悪くはないが、そういった技術者は、自分が優秀なハードウェア技術者だと思うなら、自分の技術を活かしてビジネス的なチャレンジをするほうが、もっとでっかく遊べるのじゃないかと思うのだ。

作者:yutakashino

更新日:2008年10月26日 13時42分

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A special report on corporate IT


業務においても取引先においても間違った情報に振り回されている人たちをここのところ連続して見かけているので、特に若い人にアドバイスをする。

最近の金融パニックやUS大統領選、そして実体経済の景気の下げなどをネタにThe EconomistやThe New York Times、そして英米の学者のブログなどを孫引いて、抄訳や解釈をつづっている日本のブログが、経済学者や金融関係者を中心にたくさんあるけれど、基本的にそれらを信じない方がいいよ。単なる誤訳が多くて閉口するばかりだし、コンテキストがよくわかっていないせいか英語というよりは文章がキチンと読めていないし、そもそもそれを引用した動機が自分の主張に援用しようというもので、ただのポジショントークばかりだから。

興味がある情報には、ズルをせずにキチンと原典にあたることですよ。

ということで、敢えて大きな紹介はしないが、今週のThe EconomistのSpecial Reportは企業利用を中心としたCloud Computingを巡る論説である。これは簡潔かつ秀逸なレポートとなっていると思う。

A special report on corporate IT [http://www.economist.com/specialreports/displaystory.cfm?story_id=12411882]

パブリックなcloud、組織内のcloud、それらのcloudの台頭によるハードウェア環境の未来、そしてそれに関わるサーバー管理者やプログラマの立場の変化、もう既に顕在化しているクライアントの多様化の奔流、APIがcloud化することのビジネス的な意味、すべての企業・組織のコンピューティングがcloud化されるわけではない理由、cloudは明らかにバズワードだけれど本質的なビジネスの変化をもたらす可能性が高いという論説など、コンピュータそしてビジネスに関わる人には必読である。

テットリ早く知りたい場合は、著者のインタビュー音声が以下にある。

http://audiovideo.economist.com/?fr_story=685ba065c54a90ce4bb0131c225f420d54e5fcfd&rf=bm

本説とは関係ないが、このレポート程度の英文が読めないようでは、グローバルを視野にいれたビジネスをやる上で、死亡フラグが立っていると思った方がいい。だから、若い人はこれくらいのレポートはフツーに読むことができるようになるように。

作者:yutakashino

更新日:2008年10月25日 13時37分

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アンチテレビとしての"The Final Inch"

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Jerry Yang to Step Down Following Appointment of New CEO

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YoutubeがHDに対応

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Google Flu Trends

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Great wave would be coming here...

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Maria Rita初来日公演

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US大統領選挙後のアレコレ

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Obama: Victory Speech

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The next President of the United States

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Value Attributeという盲目:Joshua Bellの例

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死にゆくジャズスノビズムのダメさ加減

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Jazzanova "Of All the Things"

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bloggingheads.tv rocks!

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半導体娘計画にみるイノベーションの埋没

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A special report on corporate IT

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